2012年6月13日水曜日

「第1回 AppBank Network 主催勉強会」のメモ

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ミクシィを会場に行われた、AppBank主催の第1回勉強会へ行ってきました。
今回の目玉は何と言っても飛ぶ鳥を落とす勢いのiPhoneアプリ「バズル&ドラゴン」の開発者、山本さんのお話かと思っていたのですが、発表者の皆さんの話が非常に濃い!終始楽しませていただきました。

オフレコの内容が多かったため、ブログに書ける内容も限られてしまいますがご容赦を。



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日時 :
2012/06/08 19:00 to 21:30
定員 :
170 人
会場 :
ミクシィ本社 (東京都渋谷区東 1-2-20 住友不動産渋谷ファーストタワー 7F)
URL :
http://www.appbank.net/2012/04/26/iphone-news/402761.php
  • パズル&ドラゴンズ プロデューサー 山本大介氏
  • MF☆ラノベコミック 宮木良磨氏
  • BOOK☆WALKER 橋場一郎氏
  • 面白革命capsule+ 山中眞一郎氏
  • genesix 取締役 冨田憲二氏
  • 前座:AppBank宮下、脇





















パズル&ドラゴンズ プロデューサー 山本大介氏

山本さんはハドソン出身者。
ガンホーに移籍して作ったのがパズル&ドラゴン。

山本さん自信、ゲームを作ることを非常に愛して
いらっしゃるのを公演を聞いていてヒシヒシと感じました。

最後の方に話されていた、死ぬ寸前まで自分はゲームを
作り続けていたい、そのためにソーシャルゲーム業界が
今のままだと無くなってしまうのではという危機感に襲わ
れている、という発言は聞いていて胸が痛みました。



そんな山本さんが、今回はパズドラを開発する際に意識
していたことを10個の項目に分けて解説されていました。

  • はじめに
    • パズドラはソーシャルゲームではない。普通に楽しいゲームを作ったつもりです。
    • 今日は「犬と私の10の約束」 風に話します!
  • 企画段階でKPIなんて考えないでください。
  • プロトタイプでは面白さだけを見て
    • 2ヶ月間プロトタイプを作り続けた
    • 面白くなければ本開発に進めないのがガンホーのルール
  • 売り方だけは先に考えてください。
    • ゲーム内で何を売りたいか。どんなアイテムかをざっくりと考えておく
    • 逆にそれ以上は考えない
      • 細かいタイミングなどは後で考える。チューニング次点で検討。
      • 企画段階で細かく考えすぎるとゲーム開発に支障がでる。
        (ゲームそのものの面白さ、という意味で)
  • 遊んでくれないのには理由がある
    • プレイ前に離脱されるケースが多々ある。
      例えば
      • 名前の登録は重複可能に
        (重複ではじかれると面倒になって普通はやめる)
      • 個人情報は絶対に入力させない
        (プレイ前なので面白いかどうかわからない状態で求められれば、即辞める)
      • プレイ前にWebに飛ばさない
        (アプリからブラウザを立ち上げるのは重い。できる限り避ける)
  • 有料販売クオリティで開発して
    • 現場には「有料で売るから」と言ってしまった方がいい
      • 結果的に無料だったとしても
    • パズドラは170円想定。AppStore内では決して安くない金額設定。
  • ソーシャルゲームを否定しないでください
    • 最近社会悪だと言われているソーシャルゲーム、しかしゲームとしていいところも多い。
    • 自分自身で良い所を体験して取り入れて!
  • 一番遊ばせたいところはサーバで管理して
    • ダンジョン生成等のメインどころはサーバで管理をする。
    • アップルの審査関連で時間を取られるので、細かくチューニングを入れる部分はサーバにまかせる。
  • できることには限界がある
    • 過度なチュートリアルは毒
    • アプリ内に要素を盛り込みすぎると悪影響を及ぼす。ゲームはユーザに説明しすぎないですむシンプルな物にすること。
  • あなたには家族や友達がいます
    • 社内の意見取りに加え、
    • 開発スタッフのそれぞれの嫁にプレイ<嫁レビュー
  • お願いです、どうか私をパクらないでください
    • 結果的にユーザー離れを引き起こす。
    • 自分自身も死ぬまでゲームを作り続けたい。それができなくなるかもしれない。

ここまでで公演は一段落。
以下は質疑応答になります。

  • 開発計画について
    • アップデート計画を1ヶ月先までひかない。
    • 自分たちがやりたいことは半分くらいに抑えて、ユーザーの定性的な要望を取り入れていく
  • ガンホーについて
    • テクニカルな部分もだが、この会社は運営がすごかった。
      いかにユーザーを喜ばせるかを常に考えて行動している。
    • これまでオンラインで食べている会社として行動指針がすごい。
  • 海外向けについて
    • 結論から言うとやってみないとわからない
    • あまり深く考えてない。とりあえず出してみないとわからない。
      ハドソン時代に「エレメンタルモンスター」を作っておりそこそこ海外受けも良かった。ダメだったらまた自分の得意な分野でまたチャレンジしたい。
  • 開発の規模
    • 社内のエンジニア2~3人。クライアント1人、デザイナー1人、プランナー、サーバエンジニア数名。
    • 大体10名程度。開発期間7ヶ月。
    • 今後は海外版、コンシューマー展開などをスタジオでやりたい。
  • その他
    • チームは10人未満でやった方が楽しい。
    • スタッフと楽しさの共感ができることが重要。

MF☆ラノベコミック 宮木良磨氏

「ラノベ」をご存知だろうか?
10~20年ほど前はいわゆるオタク層のものだった。それが最近の中高生の間ではジャンプなどに掲載されているマンガと同じ感覚で貸し借りなど行われている。

この「ラノベ」の感覚が分からない30代以上のクリエイターは、自分よりも下の感性が分からなくなってしまう危機が迫っている。自分と同じかそれよりも高い年齢層向けのコンテンツしか作成できなくなるのでは?

という、誠に恐ろしい内容でした(;´∀`)

  • 概要
    • 市場として出版、マンガは縮小しているが、ラノベは拡大している
    • ラノベはiPhoneで読みやすい
      • 余白の多さ
      • 次のページをめくる直前に単語(文章)を載せる
        以前流行したケータイ小説と同じ文脈
  • ラノベ原作のアプリ化について
    • 自分たちで小説を作っているので(中高生に人気の物がわかる)、売れているものをすぐに他のメディアに移植できる。
    • ラノベを買うと、音声がでるアプリがもらえるなどの施策を行なっているが、アニメも自分たちで作っているので、声等の素材を使いやすい。
  • その他
    • 実は、紙は若い人が多く、アプリは"卒業"した人が戻ってきている。

そのほか具体的なユーザー属性や、売上についてのあれやこれや非常に重要なデータが公開され、写真をパシャパシャ撮っていたのですが、もちろんオフレコとのことで、残念ながら書けるのはここまでとなります(^^;




BOOK☆WALKER 橋場一郎氏






http://bookwalker.jp/pc/


「ほぼすべてオフレコで!」とのことだったので、全く書けません(^^;
概要だけですが、

  • 角川グループのラノベのシェアが圧倒的
  • 継続率の話し
  • 今後の方向性や戦略
  • まだ表に出ていない提携などのお話

角川の上層部の方の資料が飛び出したりといった、聞いてる方が「この人の首飛ばないのかな」とハラハラしていましたw


その後、ライトノベルにも明るいアスキーの部長さんが登壇され、メディアファクトリーの宮木さん、角川コンテンツゲートの船場さんと三者で対談をされました。
こちらも概要だけですが、

  • 30代以上のラノベの認識と、今の世代の認識が違う
  • 若い世代は「マンガの方が難しい」
  • コンテンツは短い物にどんどんと集約されている。
    • 極論でいうと4コママンガしか生き残らないのではないか?
    • Twitterの140文字は、ラノベと親和性が高い
  • ニコニコの動画に「小説が読みたい」というコメントがついたことからノベライズされた「カゲロウデイズ」
    • ニコ動は二次創作の発表場所のような形だったが、今後はオリジナルの発表場所としても活用されそう。
    • ニコ動発でアニメ化など
など、短時間でしたがずっと聞いていたい濃い内容でした。






面白革命 capsule+


http://capsuleplus.net/

すさまじい勢いで会社を立ちあげられ、3ヵ月で22本ものiPhoneアプリをリリースされたおもしろ革命さん。以前の会社を辞めてから新聞の営業もこなすという過去も衝撃でした。実のお母さんが来場されていたのには理由があった?


  • 自己紹介
    • 2012年3月からiPhoneアプリ開発
      • 2008年12月「なんでやねん」を趣味でリリース。エンタメ無料1位。
        (自分も入れてました(^^; あの開発者さんだったとはw)
      • 3ヶ月で22本リリース
      • 3ヶ月で700万DL
    • エンジニア、デザイナーの2人でやってる
    • コナミ出身
      • ポップンミュージック(16)のメインプログラマー
  • 本日のテーマ「アドネットワークは儲かるのか?」
    • 生きていくぐらいのお金は稼げている
    • クリック単価を上げるのには?
      • 単価は2~10円。
      • CVRで単価が決まる
         ※アプリのユーザー数(DL数)などではなく、純粋な効果で決定される。
      • ドラクエやFFのような広いターゲットに遊んでもらえるようなアプリを作れればベストだが、そういった物は簡単にはできない。
      • 次のような施策をとっている。
        • タッチ、スワイプの頻度が多いところにバナーを置かない。
        • とあるアプリで実施したところ、実際に単価が5倍以上になった。
          ※ 画面下部によくタッチされるボタンがあったため、上部に移動。
  • ゲーム作りに対する想い
    • ゲーム作りは、「自分の中の面白いを人に伝えること」
    • 告白と同じ。(自分の中のエゴを出さない。何度ふられてもがんばる!

    • もともとiPhoneアプリを作ろうとした時、目標の一つは実の母でも楽しんでプレイしてもらえるようになることだった。
    • 会場にいたお母さんにインタビューしたところ、その目標はかなっているというお言葉が。湧き上がる会場。ちょっとした感動シーンでした。
  • その他
    • アニメーションなど増えたため、やはりデザイナーの負担が大きい。


genesix 取締役 冨田憲二氏







ブログを読んでいただいた方が良いかもしれませんw
非常にまじめな会社さんだという前フリの通り、久しぶりに要件定義バッチシなウォーターフォール型の堅い会社さんだなぁという印象(もちろんいい意味で(^^:)。



AppBankNetwok プラス 

※中の人からのお知らせ
  • 約500デベロッパーが利用。
  • 登録アプリのDLが増える
    • AppBankの「今日の新着・無料アプリ」に掲載
    • AppBank for iPhone の 「無料アプリ」に3日間程度表示。「最も使われている無料アプリランキング」にも掲載します。
  • DL数が数百~数千程度アップすることもあるよ!



以上です。

久しぶりに、非常に充実した勉強会でした!
次回の開催が非常に楽しみです^^




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