2012年6月27日水曜日

消えて無くなりそうなベンチャー会社と付き合う前に聞くたった一つのこと

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独自の技術を売りにきた新進気鋭のベンチャー会社とお付き合いするかどうか判断する際に必ず聞いている一言があります。
 「もし、あなたが死んだらこのシステムはどうすれば良いですか?」 
意地悪で聞いているわけでも、相手に死んで欲しいわけではもちろんないのです。むしろ良いベンチャーさんとは末永くお付き合いしたい。ではなぜこんな話になるのかというと、


本気の提案をさせるために

例えば基幹システムに組み込むような大きな話になった場合、もし相手の会社が消滅したことによってシステムの一部ないし全部がブラックボックス化され、誰も手をいれることができなくなった瞬間、こちらの事業が立ち行かなる可能性が出てきます。

この自体を鑑みて、先ほどの質問を言い直すと、
 「もし、あなたが死んだら我々の事業がストップしてしまう可能性があります。  そうなったら会社として大きな損失を被りますし、導入を推した私も責任を取る  ことになります。それほどのリスクを冒して導入する価値がこのソリューションにありますか?」 
となります。


さて、こちらのことを真剣に考えた提案をしてきてくれる会社はほとんどありません。試しに自分の会社のコーポレートサイトに掲載されているプレスリリースの内容についてそれとなく話しをふってみてみてください。半分以上の人は「初耳です」的な感じになります。


その瞬間、目の前に置かれた提案書や、プレゼン用のスライドをこの人はどうやって作ってきたんだろうという疑問がわきます。たぶん使いまわしているファイルのロゴや社名を変えただけでしょう。ひどい時はそのままだったりしますよねw 


それが悪いことだとは言いませんが、適当な提案しかしてこない会社の技術を取り入れるのはちょっと怖いですよね。その時点で切ってしまっても良いかもしれませんが、何か光るものがあってもう少し相手と話したい場合に、じゃぁうちの会社に導入するとしたらどうすればいいの?本当に効果があるの?という部分に話しをフォーカスする必要があるわけです。


こちらの状況を説明した上で、相手側から建設的な提案を引き出す際に、先に上げた質問が活きてくるというわけです。




そもそも、向こうがこちらの状況の一歩先を読んだ提案をしてきてくれる、そのような会社は今後伸びていくでしょうし、こちらも成長できるきっかけとなるかもしれません。もし出会うことができたら、ぜひお付き合いを検討すべきでしょう。




権利の所在をハッキリさせるために

どんな会社でも死が訪れます。
会社が潰れてしまうこともあれば、キーマンがいなくなり契約していたシステムが事実上メンテ不可能な状態になり死んでしまうことがあります。会社間で喧嘩別れすることも珍しくありません。 

そんなときに問題にあげられるのが権利問題です。
例えば
  • とあるサービスの開発を依頼していた会社と条件面で折り合いがつかず契約を切ったとします。 
  • しかしサービス自体はすでにリリースされているため、他の会社に開発を引き継がせようとしました。
ここで問題が発生します。  
  • 実行加工なファイルは納品されていたのですが、 開発に必要なソースコードが納品されていませんでした。

担当者であるあなたは慌てて先方に電話をしますが 
  • 「ソースコードは弊社独自のノウハウがあるので開示できないし、契約にも含まれていない」 と言われてしまいました。
  • 確かに契約書にはソースコードの納品について明示されておらずグレーな状況です。 

上記のケースだと相手がまだ存在していますので交渉次第で何とかできるかもしれませんが、もし会社が解散していたり、それこそ行方がつかめない状態になっていたとしたら、そのサービスを一から作り直すか、捨てるかの決断を迫られますもちろんその間もサービスに手をいれることは難しいでしょう。 


ここで前述の質問を言い直すとしたら、 
 「もし、あなたが死んでも我々はサービスを継続する必要があります。  その時でも私たちは問題なく継続することができますか?」 
 とでもなるのでしょうか。 


以前、まだ立ち上げたばかりのベンチャー企業の代表の方にこの質問をぶつけたところ、 
今の会社には私しか専任はいません、もし私が死んだらすべてのソースコードや仕様をまとめた資料を自由に使ってくださいとおっしゃったのがきっかけで、提携の話がするすると決まったことがあります。 もちろんその会社の技術が素晴らしかったから、というのが前提にありますが、 その方の覚悟を聞いて、背中を後押しされたというのは否定できません。




別れは必ずやってくる

もちろん、上記の質問をパーフェクトに回答したとしても、肝心なソリューションがダメダメではお話になりません。

このテクニックを活用するのは最後のひと押しが必要な時です。
技術は素晴らしいが、本当にこの人(この人達)と付き合っても良いものか悩んでいるときの手助けとして活かすものです。実際に導入が開始され、運用がはじまると、本当に気が遠くなるほどの時間、苦楽を共にしなければなりません

自分の中で決断を下すときは何度経験しても重たい作業です。
それは相手も同じはずです。その覚悟があるの?と相手にも重たい決断を迫りたい時、聞いてみてはどうでしょうか。

 「もし、あなたが死んだらこのシステムはどうすれば良いですか?」





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